商品について
プロフェッショナルモデルへの進化。THE EVOLUTION OF A MASTERPIECE
◆PCM 32bit / 384kHz、DSD128(5.6MHz/1bit)のネイティブ再生
◆最新型DACの旭化成エレクトロニクス「AKM AK4490」を、デュアルDAC構成で搭載
◆超低ジッタ0.2Psを実現。VCXO Clock(電圧制御水晶発振器)搭載
◆より高度な音質調整を可能にする Parametric EQ(20Band EQ/0.1dB)機能搭載
◆2.5mm/4極バランス出力搭載
◆各種専用オプションの発売を予定。ポータブルプレイヤーの枠を超えた高い拡張性音の方向性としてはAKシリーズの中でも「AK120II」に近い、カッチリとクリアでダイレクト感の強いモニターサウンド系と思える。しかし、様々な点でAK120IIを明確に上回ってきてしまっており、当然だが歴代AKの最高峰に到達している。
低域はさらに引き締められているのだが、しかしそれでいて低音の圧というかソリッドな迫力は強まっている。ベースやバスドラムの音像の太さ=横の広がりは引き締められているのだが沈み込み=縦の深さは増しており、音の立ち上がりも速くなっているので、迫力=縦×横×速さ!みたいなゆで理論でAK120IIのそれを上回る。そんな印象だ。相対性理論「たまたまニュータウン (2DK session)」(こちらは32bit音源)の冒頭でドラムスとベースだけの場面があるのだが、そこではこの要素が特にはっきりと感じられる。
TECHNOBOYS P.G.「SHaVaDaVa in AMAZING♪(OUT OF LOGIC)」のベースもそこがわかりやすい。沈めた音域のフレーズにアクセントとしてプル(主に高音側の弦を指で引っ掛けるように弾いてアタックを強調する奏法)が混じるのだが、その低音側の安定感と高音側でのプルの弾けっぷりのコントラストが実に鮮やか。ベースという楽器の全体に低い音域の中での低音と高音、沈み込みと速さ、それらをどちらもすごいレベルで再現する。この曲では他に、アナログドラムマシン独特の重みやキレにもAK380の凄みが強く発揮される。
音像と背景のクリアさにも圧倒的なものがある。引き締められた音像と背景の静かさによって、音の本体から広がる響きをすばらしく豊かに明瞭に感じさせてくれる。バスドラムなどで特にわかりやすいが、「音の本体は引き締めつつ響きは豊か」ということで音色としての豊かさもオーディオ的な明瞭さも共に実現。
そうなればもちろん空間性も秀逸で、正直これはスピーカーで聴きたいなという空間表現のTM NETWORK「Beyond The Time」やHoff Ensemble 「Dronning Fjellrose」(こちらはDSD 5.6MHz音源)をイヤモニで聴いても「これは…ありだな!」と思わされてしまうほどだ。
音像だけでなく音色としてのクリアさ、透明感もすばらしく綺麗で印象的。AK120IIのそれをガラスのような美しさとすれば、AK380のそれは水晶のような美しさとでも表現できるだろうか。同系統でありつつさらに好ましい感触といったような意味合いだ。
文:高橋 敦
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。